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N1
12/2019
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問題8: 次の(1) から(4)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1).
以下は、ある会社がホームページに掲載したお知らせである。
株式会社フジハルク→お客様へ大切なお知らせ
2019年10月1日 株式会社フジハルク
家庭用エアコン「A42-C4」の再修理のお知らせ
日頃は弊社製品をご愛用いただき、厚く御礼申し上げます。
この度、家庭用エアコン「A42-C4」について、弊社が2019年4月から8月の間に行ったホース修理の際 に使用した金具に不具合があることが判明しました。そのため、その期間に修理をした製品に対して再修理を実施させていただくことになりました。
つきましては、再修理の対象となるお客様には、弊社製品の修理を行っております関連会社「FHエンジ ニア」より直接電話にてご連絡させていただきます。
なお、本件に関するお問い合わせは、弊社お客様センターまでお願いいたします。
お客様には大変ご迷惑とお手数をおかけしますことを深くおわびいたします。何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
株式会社フジハルクお客様センター:0120-333-4585
(受付時間10:00-18:00 土日祝休み)
46. 「A42-C4」の再修理について、このお知らせで伝えたいことは何か。
2
1) 再修理の対象となる人はお客様センターに連絡してほしい。
2) 該当する期間にホース修理をした人に、関連会社から連絡がある。
3) 該当する期間にホース修理をして、その後不具合が生じた人は、お客様センターに連絡してほしい。
4) 該当する期間以外にホース修理をした人に、関連会社から連絡がある。
2
3
(2).
目的地を目指して走るだけでは、人生というのはもったいないのではないか。私は散歩することが好き なのだが、散歩というのは、ゴールをめざして邁進することの対極(注)にある。むしろ目的に縛られ ていたのでは見えてこないものへと心を開いていなければいけない。ちょっとした季節の移り変わり、 鳥の声、ここちよい風。店先からパンを焼くにおいなどが漂ってくると、それだけで幸せな気持ちにな る。人生にも、こんな味わいがあるだろう。
(注)対極:反対の位置
47. 筆者が言いたいことは何か。
2
1) 目的を持っていては、豊かな人生が送れない。
2) 目的を一つだけに限定しなければ、充実した人生になる。
3) 目的の達成ばかりを考えていては、人生を十分に味わえない。
4) 目的が達成できなくても、自然を感じて生きれば幸せな気持ちになる。
3
3
(3).
子どもたちは、教師から「自分で考えなさい」「人の真似をしてはいけません」ということを明示的に も、暗黙的にも示されると、「人の真似ではない」という「真似」をすることを学ぶようになる。例え ば、自分自身の気持ちとは裏腹に、あえて「人とは異なる発言、あるいは行動をする」ことを学んでい く。この学びが模倣ではないとどうして言えようか。一見個性的、一見創造的に見える
仮面をつけた模倣
は、明らかな「形」の模倣とは異なる故に、その実体が見えにくい。
48.
仮面をつけた模倣
とは、どのようなものか。
2
1) 誰の真似もしていないように見える模倣。
2) 教師の真似をしているように見える模倣。
3) 自分の気持ちに反してする模倣。
4) 実体を見せないための模倣。
1
3
(4).
49. 筆者によると、現代とはどういう時代か。
2
1) 人間は、「必要」な物は何でも「発明」できると錯覚している。
2) 人間は物質的に豊かになったのに、新たな「発明」品を求め続けている。
3) 「発明」された物によって、人間の精神が影響を受けている。
4) 「発明」品は、人間の精神の飢えを満たすために改良され続けている。
3
3
問題9: 次の(1) から (3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。
私たちは頭の中で「考える」とき、決して論文のように筋道の立った記述のように考えるわけではな い。たとえば私の評論を書くときの経験では、論旨のエッセンスとなるような直感とか、ハイ ライト部 分 (注1)の「決め」になるようなフレーズ (注2)を思いついたときに「これは書ける」なんてわくわ くして思い立つのである。つまり、その瞬間の頭に浮かんだものは、ばらばらな断片と大まかな展望に 他ならない。そのピンポイント(注3)の断片と他の断片との間を、スムーズな説得力のある流れにな るように継ぎ足していく作業が「書く」という仕事である。
しかし、スムーズにつなぐことに集中しすぎると、もとの目的地から逸れた方向へ論旨が勝手に伸びて いってしまうことが、ままある(注4)。(中略)ひとは書こうとしていたことをきちんと書けるわけ ではなくて、むしろ積み木のように書き足しているうちに、最初は書こうともしていなかったことを知 らず知らずに書いてしまうことが少なくないのである。そのくせ書き上げてしまうと「そうか、自分は こういうことを考えていたんだ」などと思えてくるから不思議だ。
私たちの意識は、言葉とイメージの網の目をふわふわ漂っているようなものである。それが言葉や文章 に定着したとき、「考え」というものになる。言葉を抜きにして「考え」は存在しない。順序として 「考え」がもともとあったから言葉が出てくるのだと思いがちだが、逆に言葉が出てきて初めて「考 え」ははっきりするものなのである。だから言葉の運動が勝手に作り上げてしまった論旨が、いつのま にか自分の「考え」になってしまうという現象が起こるわけだ。
(注1) ハイライト部分:ここでは、重要な部分
(注2) フレーズ: ここでは、言葉や表現
(注3) ピンポイントの:ここでは、中心となる
(注4)まま:時々
50. 筆者によると、書くとはどういうことか。
2
1) 直感や思いつきを頭に浮かんだ順に並べていくこと。
2) ばらばらな断片を直感に基づいてつないでいくこと。
3) 頭に浮かんだ断片を筋道を立ててつないでいくこと。
4) 論理的に考えたことをスムーズな流れに並べていくこと。
3
3
51. 不思議だとあるが、なぜか。
2
1) 考えていたことが書けていなくても、書けたように思えてくるから。
2) 書くことに集中しすぎないほうが、うまく書けたと思えてくるから。
3) 書き足しているうちに、自分の考えがより深まったと思えてくるから。
4) 書き上げたものが、初めから考えていたことであるかのように思えるから。
3
3
52. 筆者の考えに合うのはどれか。
2
1) 言葉にすることで、自分の「考え」が出来上がる。
2) 言葉が作り出す「考え」は自分の「考え」ではない。
3) 「考え」が存在して初めて、書き進められる。
4) 意識によって「考え」を言葉にすることができる。
1
3
イギリスの科学誌『ネイチャー』の最近の号に、カエルの種多様性と寄生虫の感染率についての論文が 載っています。カエルの全数は同じで、特定の1種類しかいない場合と、数種類のカエルが共存する場 合で、ある種のカエルが寄生虫に感染して発病する割合は、前者のケースのほうが高いという内容で す。つまり多様性が高いと特定の種が病気になる割合が下がるというのです。
(中略)
他の種が存在することによって自分が病気になる確率が下がるとするのなら、それぞれの種は互いの種 を競争で滅ぼしてしまわないほうが自分も得をします。もしかすると、自分たちの使う資源を他の種に 譲ってでも、それを存続させることが有利になるかもしれません。アリのような種内での協力と同様、 いくつもの種がコストを払って共存し合うことで、それぞれの種が得をしている可能性があります。
種のレベルを超えた協力
と言えるかもしれません。
この話がさらに面白いのは、それが寄生虫という、カエルを減ぼしかねない要因とリンクして起こって いる点です。寄生虫の側から見た場合、感受性の(感染する) カエル1種だけのときは、どの個体へも 感染でき、そこで成長できますから、短期的な寄生虫の増殖率は高くなるでしょう。しかし、全部のカ エルに感染して殺してしまうと寄生できる相手がいなくなるため、寄生虫も減びなくてはならなくなり ます。したがって、いろいろなカエルがいることは、寄生虫にとっても、自身の長期的存続を可能に するメカニズムとして働いているのです。
53. カエルが寄生虫に感染して発病する割合が低いのは、どのような場合か。
2
1) 1種類の寄生虫しかいない。
2) 1種類のカエルしかいない。
3) 数種類の寄生虫が共存する。
4) 数種類のカエルが共存する。
4
3
54.
種 のレベルを超えた協力
とはどのようなものか。
2
1) 他の種に自分の種の病気を広めない。
2) 他の種とともに、ある特定の1種類を滅ぼす。
3) 自分の種の存続より他の種の存続を優先させる。
4) 多少の犠牲を払っても、他の種の存続を助ける。
4
3
55. 寄生虫について、筆者はどのように述べているか。
2
1) 感染するカエルが1種類だけだと、寄生虫自身も絶減してしまう。
2) 感染するカエルが1種類だけだと、長期的に寄生虫の増殖率が高まる。
3) 感染するカエルが多種類だと、寄生虫自身も絶減してしまう。
4) 感染するカエルが多種類だと、一時的に寄生虫の増殖率が高まる。
1
3
今、モノづくりの過程を「見える化」と称して可視化(注1)、数値化し、技やノウハウを共有化した り、さらには自動化して人を減らそうという動きが盛んになっています。けれど、この過程には大きな 危険が潜んでいることを認識しなくてはなりません。 モノづくりには、手づくり、手作業の要素が非常に重要です。経験、約に基づく技は体で覚えるしかあ りません。見える化しようとすると、すべての作業をデジタル的に数値化することになります。しか し、勘や経験による手作業は数値化できません。また、どんな思いを込め、どんな気持ちでつくってい るかという心の部分は数値にしょうがありません。(中略) 見える化の過程には「省略」と「変形」が起きる危険性があります。怖いのは、一度、仕組みができ上 がると、それが元の実態であるかのような錯覚を起こし、一人歩きしてしまうことです。見える化されたものは、元々の姿からアナログの部分が省略され、変形しているのです。これに気付かなければなり ません。 もう一つの危険は創造が起きなくなることです。ある職人の技があったとします。これを見える化して も、そこからは何も新しいものや価値が生まれているわけではありません。 匠(注2)の技とは、自分で経験を積み、手で触り、頭で考えている中で、「こうしたほうがいい」 「こんなやり方があるな」と気付き培ってきたものです。つまり、手作業のプロセスの中にこそ創造が あるのです。 今のやり方を見える化、自動化し、手作業のプロセスを抜いてしまえば、新しい技術は生まれません。 (注1) 可視化する:目に見えるようにする(注2) 匠:優れた職人
56.
これ
とは何か。
2
1) 職人の経験や勘、心を「見える化」すると、変形してしまうこと。
2) 職人の経験や勘、心を「見える化」する技術がまだないこと。
3) 見える化」されたものには、職人の経験や勘、心は含まれないこと。
4) 「見える化」されるには、職人の経験や勘が必要であること。
1
3
57. 筆者によると、新しい技術を生み出すのに必要なことは何か。
2
1) できるだけ多くのプロセスを手作業で行うこと。
2) 優れた職人の技を「見える化」すること。
3) 職人が「見える化」に取り組むこと。
4) 手と頭を使って作業をすること。
4
3
問題10: 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。
脳科学はヒトそのものの仕組みを明らかにしようとする学問です。そのため、その成り立ちから人々の 耳目 (注1)を引くように運命づけられていると言えます。脳科学は、誰もが青春の一時期に悩む「自 分って何だろう」という疑問に科学の力で挑むという、考えてみたら少し青臭い(注2) 学問だったりするのです。
だからというわけではありませんが、人々の口に上りやすく、そのため伝搬のスピードも他の学問と比 べて早いように思います。特に、自己 (注3)の知覚の裏をかかれるようなさまざまな現象、たとえば 錯視現象や無意識と意識の話などは、自己恒常性、つまり自分がいつも自分であり続けることに関わる だけに、他のどんな科学より人々の気持ちを鷲掴(注4) みにします。そのせいで、脳機能を理解する 前に現象だけが先走って人々の間に広がっていくことも多い学問です。もちろん、それは何より面白いからです。
そんな脳科学も、昨今の説明責任という考え方や社会還元という意味合いで、一般の人々へなんとか知 見のフィードバック(注5)をしなければならない圧力にさらされています。少し前には、脳科学の研 究成果が新聞に掲載されることはあまりありませんでしたが、今ではプレスリリース(注6) も当たり 前に行われますし、そこではできるだけ面白く人々の興味をひきつけるストーリーを作りがちになりま す。本当は
そういう色気
は基礎科学に馴染まないのですが、メディアからの要請があると、僕たちはな んとかそれに応えようとして、浅薄な脚色をして本当の面白さをゆがめてしまいがちになります。
そういう「メディア対応」と呼ばれる技術も科学者に必要とされている現代は、ある意味で科学者にと って不幸な時代なのかもしれません。
中略
昨今の過剰なメディアの脳科学の取り上げ方は、科学者の説明責任を遥かに逸脱したレベルであるよう に思えるのです。そういうメディアの要求に、誠実に対応しようとすればするほど、科学者 は自分をす り減らすことになるでしょうし、だんだんと科学の現場から乖離せざるを得なくなるでしょう。それ は、優秀な科学者を潰すことになります。
科学者の価値は、何よりも科学の現場に居続けることにあります。科学的知見に裏打ちされない(注7) 空論を弄ぶのではなく、常に研究の現場に自分をつなぎ止め、足を杭で打ち付けてでも科学の現実 から離れないようにすること。そういう決意をもってメディアに対応するのであれば、フワフワと遠く に行ってしまうことはないでしょう。
(注1) 耳目を引く注意を引く
(注2) 青臭い:ここでは、純粋すぎる
(注3) 自己の知覚の裏をかかれる:ここでは、自分が思いもしなかった
(注4) S掴みにする:ここでは、強く掴む
(注6) プレスリリース: メディア向けの公式発表
(注7)に裏打ちされる: てに裏づけられる
58. 脳科学について、筆者はどのようにとらえているか。
3
1) 他の学問より早いスピードで進歩している。
2) 人々の脳機能を高めることに貢献している。
3) 身近な疑問を扱っており、多くの人々に理解されている。
4) 脳の働きが理解されないまま、人々の興味だけが先行している。
4
3
59.
そういう色気
とは、どのようなことか。
3
1) 科学者が科学本来の面白さを前面に出そうとすること。
2) 科学者が事実を実際より面白くして伝えようとすること。
3) 科学者が一般の人々に分かりやすく科学を説明しようとすること。
4) 科学者が新間に掲載されるような興味深い研究をしようとすること。
2
3
60. 現代のメディアと脳科学の現場との関係はどのようになっているか。
3
1) メディアが、研究内容に介入するようになってきている。
2) メディアの過剰な要求のため、研究の現場に負担がかかっている。
3) 脳科学に関する情報提供の機会が、メディアに奪われている。
4) 脳科学本来の面白さが、メディアに取り上げられなくなっている。
4
3
61. 筆者によると、昨今のメディアとの関わりにおいて、科学者はどうあるべきか。
3
1) メディアを自身の研究のために活用するべきだ。
2) メディアを通じて研究の現場から情報を発信するべきだ。
3) メディアへの対応よりも、研究を優先するべきだ。
4) メディアの要求には対応せず、研究の現場を大切にするべきだ。
3
3
問題11: 次の A と B の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。
A
褒めれば人は育っといいます。確かに人間は叱られるより、認められたり褒められたほうが嬉しいに決 まっていますし、「よし、次もがんばろう」とやる気も出るものです。リーダーだって、普段からガミガミ言うより、部下を褒めるほうが自分自身の気分も良いでしょう。
しかし褒めてばかりいると、今度は思わぬ弊害が出てくると私は考えています。確かに部下の士気は上 がるのですが、逆に褒められることが目的になりかねない。「お前は偉いな」と課長に褒められたいから、仕事を一生懸命にやるようになってしまうのです。
(中略)
「良くやった」「偉いな」などという言葉は、たまに言うから効果的なのであって、日常的に口にして いたら効果は半減してしまうでしょう。要は褒めるところと叱るところ、リーダーはいつも人を見てパ ランスを考えなくてはなりません。
B
部下のやる気を引き出すようにうまく褒めるのは難しい。的外れな褒め方をすれば「自分をよく見てい ない」と不信感を抱かせてしまうし、皆の前で特定の人ばかりを褒めれば、チーム内の関係が悪化してしまうこともある。さらに彼め続けることで、部下が、仕事への責任感や使命感からではなく、上司に 褒められることを目的にがんばるという状態になってしまう恐れがある。
このような事態を避けるために、上司には適切に褒める技術が求められる。部下が良い仕事をしたら、 タイミングを逃さずその場で彼めることが効果的だ。また、成果だけを定めるのではなく、仕事の過程の中で何が良かったかを取り上げて褒めることが重要だ。そうすれば、部下も評価された点を明確に自 覚でき、次の仕事につなげやすくなる。
62. 部下を褒めすぎることの問題点として、AとBが共通して述べていることは何か。
3
1) 部下同士の人間関係が悪くなること。
2) 部下が上司に不信感を持ち、やる気をなくすこと。
3) 部下が褒められるために仕事をするようになること。
4) 部下が仕事で成果を上げることだけを目標にすること。
3
3
63. 部下への接し方について、AとBはどのように述べているか。
3
1) Aは状況に応じて褒めたり叱ったりすることが必要だと述べ、Bは良い点をすぐに褒めることが大切だと述べている。
2) Aは叱った後には褒めるようにしたほうがいいと述べ、Bは適切なタイミングで寝めることが大切だと述べている。
3) Aはできるだけ叱るのをやめるべきだと述べ、Bは良いと思った点を率直に表現したほうがいいと述べている。
4) Aは分かりやすい言葉で褒めることが大切だと述べ、日は仕事の過程の中で良かった点を褒めたほうがいいと述べている。
1
3
問題12: 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4 から一つ選びなさい。
交換と交易(注1)の歴史は非常に古く、何万年も前までさかのほれるようだが、貨幣経済は進化史的 に言えばごく最近のことである。どんなものにも変えることができる抽象的な価値とは、
とんでもない発明だと思う
。(中略)
それは、貨幣というものが、確かに人間の生活を変え、世界を見る目を変え、欲望のあり方を変え、人 生観を変え、結局のところ人間性を変えてきているように思うからだ。貨幣経済の真っただ中で暮らし ている私たちにとって、貨幣は当たり前の存在だが、ヒトという生物にとって、こんなものの存在は決 して当たり前ではなかった。そして、大量の砂糖や脂肪の存在に私たちの脳も体もうまく対応できてい ないのと同じく、この貨幣という存在にも、実は私たちの脳はうまく対応できていないのではないだろか
ヒトが狩猟採集生活をしていた頃、ヒトは自分たちの手で集められる食料を食べ、自分たちの手で作れ る道具や衣服を使って暮らしていた。できることは限られていたし、望めることには限度があった。ま さに等身大(注2) の生活である。それ以上の世界の可能性を知らなければ、欲望にも限りがあった。 「欲しい物」というのは具体的な物であり、それを手に入れる方法は限られていた。そして、ヒトはそ のことを知っていた。
しかし、何にでも交換できる抽象的な価値が手に入るようになると、それ自体を得たいという新たな欲 望が生まれる。「金の亡者」(注3)は、何か特定の物が欲しいから貨幣を得るのではない。ともかく貨 幣をためることが何にもまして大事な目的なのだ。そこには限度がない。
また、何にでも交換できる抽象的な価値は、人間関係を買うことも、幸せな気分を買うこともできる。 貨幣がない時には、人間関係を築いていなければできなかったことが、個別の人間関係抜きに手に入 る。逆に、貨幣なしではほとんど何もできない。
そして、今では、貨幣を手に入れることは一つの職業につくことである。一つの職場で一つの仕事を し、その対価(注4)に貨幣をもらう。そうすると、ヒトは、自分が独立して生きていると思う。本当 は、今でも狩猟採集生活時代と同じように、みんなで共同作業をすることで生きているのだ。農家がい なければお米も野菜もない。物流や商店がなければ、買うことができない。医者がいなければ病気を治 せない。学校の先生がいなければ教育ができない。今でも、みんなでともに生き、生かされて暮らして いるのだが、それぞれに貨幣が介在しているので、共同という感覚がなくなる。便利なものには必ず負 の面がある。ちょっと立ち止まって考えてみた方がよい。
(注1) 交易: ここでは、取り引き
(注2) 等身大の: その人の状況や能力に合った
(注3) 金の亡者:異常に金銭に執着する人
(注4)対価:ここでは、報酬
64.
とんでもない発明だと思う
のは、なぜか。
3
1) 人間の脳の対応力を徐々に変えてきたから。
2) 人間に抽象的な思考を強いるようになったから。
3) 多様な人生観や人間性を生み出してきたから。
4) 生活から考え方まで人間のあり方を変えてきたから。
4
3
65. 狩猟採集生活をしていた頃のヒトの欲望について、筆者はどのように述べているか。
3
1) 自らたちの日常しかしらなかったから、欲望は限られていた。
2) 自らの経験から欲望には限りがないことを知っていた。
3) 多くの欲望を持っていたが、それを満たす手段は限られていた。
4) 生きることが最優先だったから、欲望を持つ余裕がなかった。
1
3
66. 筆者によると、ヒトは貨幣を手に入れてどうなったか。
3
1) 人間関係に関心がなくなった。
2) 貨幣自体が欲望の対象になった。
3) 特定の物に対する欲望が強くなった。
4) 何が本当に欲しいのか分からなくなった。
2
3
67. 筆者が最も言いたいことは何か。
3
1) 貨幣を得ることだけが働く意味ではないと自覚にすることが必要だ。
2) 貨幣があることによって共同という感覚が必要ではなくなっている。
3) 貨幣によって失われている共同という感覚を忘れてはいけない。
4) 貨幣には人間関係を壊すという負の面もあることを忘れてはいけない。
3
3
問題13:
68. この助成制度への応募に関して、留意しなければならないことはどれか。
3
1) この助成金の交付を過去に一度も受けていない団体である必要がある。
2) 助成を受ける事業は決められた期間内に実施しなければならない。
3) 合計を30万円以内にすれば、複数の事業について応募できる。
4) 団体によるプレゼンテーションを1次選考の際に行わなければならない。
2
3
69. ソンさんは十条市民による国際交流クラブの代表で、この助成制度に応募することにした。 参加必須のもの以外は出るつもりはない。12月10日の説明会に参加できない場合、ソンさんの応募方法として合っているのはどれか。
3
1) 12月19日の説明会に参加し、提出書類を応募期間内にファクスで送る。
2) 12月19日の説明会に参加し、提出書類を応募期間内に着くように郵送する。
3) 12月19日の説明会と個別相談会に参加し、提出書類を応募期間内にメールで送る。
4) 12月19日の説明会と個別相談会に参加し、そ 出書類を応募期間内に窓口に提出する。
2
3
十条市国際交流事業助成制度
2020年度募集概要
趣旨
本制度は、市民が行う国際交流事業を市が助成し、国際交流を推進することを目的としています。
対象団体
国際交流活動を行う団体で、次のいずれにも該当する団体
・団体の主たる構成員が十条市民で、1年以上の活動実績があること
・過去3年以内に本助成金の交付を受けていないこと
対象事業
2020年4月1日から12月31日までの間に実施される事業で、「国際理解と国際協 カ」または「多文化共生社会の実現」に関するもの
助成額
1事業あたり 30 万円以内(1 団体につき1事業のみ応募可)
提出書類
1申請書2事業計画書
※当センターホームページよりダウンロードしてください。 )
応募方法
上記の書類を郵送していただくか、センター窓口に直接ご持参ください。(メール、 ファクス不可)
応募期間
2020年1月10日(金)~1月28日(火)
※最終日必着(窓口持参は17時まで)
スケジュール
説明会
①2019年12月10日(火) 13:00~14:00
②2019年12月19日(木)13:00~14:00
応募を希望する方は、①か②のいずれかに必ずご参加ください。
(予約不要)
個別相談会
2019年12月11日(水)~12月25日(水)30 分程度
事業の内容等について担当職員が相談に応じます。
(希望者のみ・要予約)
1次選考
書類審査。結果は 2020年2月14日(金)までに応募者全員に書面で通知します。
2次選考
2020年3月7日(土)10:00~12:30
団体によるプレゼンテーションと、質疑応答
結果通知
2020年3月 13 日(金)までに2次選考参加者全員に書面で通知します。
お問い合わせ・送付先
〒614-3790 十条市西島 2-21 十条市国際交流センター
国際交流事業助成担当 電話 0199-61-2257
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Ý kiến đóng góp (2)
DanuuJI
16番は正解が2だと思います。ルーズの意味は無関心ではありません。
35番は2と4が重複します。
Trả lời
2023-11-15 14:13:54
Admin
ご意見いただき、ありがとうございました。上記の内容を修正しました。·
Trả lời
2023-11-16 23:48:29
Karotto HT
câu 58 59 bị lỗi đáp án bạn ơi , sửa gấp sửa gấp
Trả lời
2024-06-21 13:10:22
Admin
Chúng tôi đã cập nhật lại, cảm ơn sự đóng góp của bạn. Chúc bạn có kỳ thi thành công.
Trả lời
2024-06-23 20:53:16
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